注意!!

初めてのアパレルOEMで注意すべき4つの点とは??アパレルのプロが教えます!!

アパレルOEMを始める理由として、新しい事業でアパレル事業を始めたい!アパレルで起業したいから自分のブランドを作りたい!等様々あるかと思います。そこで初めてアパレルの業界に参入される方、もしくはやっているけどなかなか上手くいかない方に少しでも役立てて頂ければと思います。

目次

アパレルOEMでの注意点とは?

OEMを行う場合は基本的にメリットの方が多く語られます。確かに低コストで生産でき販売戦略に集中する事ができます。ですがそこにも落とし穴があるのです。アパレル業界でのルールであったり、マナーを知らずに自分だけの常識で物事を判断したり、業者との取引をして痛い目にあったり生産拒否を受けたりと本末転倒なことになっている方々も沢山います。ここではそんな事に陥らないための注意点を記載していきます。

OEMがイマイチわからない場合は下記を参考にしてください。

アパレルOEMとは?アパレルのプロがOEMを徹底解説!!

OEMのメリット・デメリット

まずはOEMのメリット、デメリットから紹介します。

メリット


OEMの委託には大きく分けて3つのメリットがあります。

Ⅰ.小資本でも、オリジナルブランドを作る事ができる

工場や製造設備を自社で構えることが大変なのは、容易に想像がつくと思います。しかし自社で工場を持たずにOEM生産を行えば、商品製造に必要な設備にかけるコストが必要なくなるのです。製造部分だけをアウトソースすると考えていただければ、イメージしやすいのです。

Ⅱ.在庫リスクを低減できる

OEM受託企業の多くは、小ロット生産の対応が可能です。そのため、多品種小量販売を行うECサイトでも販売しやすいのが特長です。大量の在庫を抱えることになったらどうしよう……という心配を低減することができます。

Ⅲ.本業である『販売』『プロモーション』に集中できる

自社生産する場合、そこに関わる設備投資や人員の確保が負担となってくる。しかし、OEM委託をすることにより、製造にかかってくる経営資源を、本来必要な販売やプロモーションの分野に回すことができる。EC業界はスピードが求められる業界です。企画・マーケティングや、顧客対応に専念することで、企業の成長も見込めると思います。

デメリット


工場などの設備コストがかからないことや、在庫リスクの低減など、メリットもあるOEMだが、デメリットになり得る点もあるので確認が必要です。

Ⅰ.自社での生産技術が育たない

OEM委託を行なっていれば分業できスピーディーにほかのタスクをこなす事ができるが、いざ事業が軌道に乗り自社で工場を持ち生産をしたくとも、全く生産技術は蓄積されておらず一から技術者育成等を行わなければならずコストも時間も再度かかってしまう。もし大規模で行うのであれば少しずつでも自社内で技術を蓄積していくこともおすすめします。

Ⅱ.自社生産による収益が得られない

自社で大量に生産することのメリットは生産コストの低減効果により利益率が高まっていくことにあります。ただO E M委託を行なっているとその生産コストの低減効果には関係なく費用をO E M受託業者に支払うことになります。一時的な販売でなくその先の製造自社で行い利益を高めたいと考えてているならO E M委託は考えてみたほうが良いかもしれません。

Ⅲ.受託先が将来的に競合企業になる場合がある

O E M委託を行なっていると製造ノウハウやアイディアはO E M委託業者にも蓄積されていきます。低コストで製造できるため、同じような商品を安く販売して顧客の関心を惹くことができます。買周り品に多く、せっかく開拓していた市場の中でライバルになる可能性が出てきます。

商品製造をアウトソースするため、自社内で技術的なノウハウが溜まらない。また特別な資格を必要とする技術で作られる製品であれば、仮に受託先を変える場面が訪れた場合、新しい受託企業探しが困難になるケースもあります。

OEMでの注意点

Buyingも選択肢に含める


 まず1つ目は『Buying』も選択肢に含める事です。Buyingとは何か?ですが詳しい事はここでは省きますが主に海外などで生産され出来上がっている製品を仕入れる事です。基本的には低価格で3枚〜とかなり少ない枚数からも対応がある為、在庫リスクを減らせます。なぜBuyingを行うべきなのかと言うと上記されているメリットではコストを抑える事ができると言っていますがそれでもお金は必要です。新しくアパレル事業を始めるとしたら商品を作るだけでなく広告やプロモーションにもお金を使わなくてはいけません。それにアイテム数をそれなりに持たないとお客様がECサイトや店舗で商品陳列を見た時に「ここのブランドは品揃え悪いな」「運営がうまくできてないのかな?」等感じてしまい、マイナスな印象を与えてしまうことも少なくありません。そのような機会損失を避けるためにも初めてOEMを行う際にはBuyingも含めて自社のブランドイメージに近い商品を集めておき主力として生産していきたい商品だけまずはOEMで生産していく方が在庫リスクもコストも少なく済みます。

アパレルでの小ロットの認識


 2つ目に小ロットの認識です。OEM発注サイト等でもよく見かけるかと思いますが『小ロット可』の言葉です。基本的ににアパレルの業界での小ロットの認識は 100 からです。初めて行う場合は在庫リスクを取りたくない為かなりの小ロットを要求されるお客様が多数いらっしゃいます。基本的にアパレルの工場は機械で生産しているわけではなく手作業がほとんどです(中国や物によっては機械もありますが)なのでまず人件費は必須です。そしてOEMではオリジナルなデザインや生地を使っているため生産に手間がかかり、時間もかかります。さらにロットを少なくすればするほど慣れていない作業を覚え始めた時にはもう終わっている為、生産効率も上がりません。なので単位当たりの原価率は上がってしまいます。

 業者さんの中には100枚以下でも対応してくださる方々もいらっしゃいますがその裏ではとても涙ぐましい努力をされているところが殆どかと思います。なのでお互いがwinwinになるロット数を真摯に向き合い相談していきながら業者さんとの関係を良好にしていくことで、より良いものを作っていく事が出来るかと思います。

デザイン


3つ目に「デザイン」です。そもそもデザインとは、

デザインとは「意匠」の要素を含むものであり、外観機能性能などをより良いものにするための工夫そのものの表れであるといえる。「美しさ」「斬新さ」「使いやすさ」「使い勝手の良さ」などの様な目的が意識され、それが具体的な形に落とし込まれたものであれば、装飾であれ実用品であれ抽象的な構造であれ「デザイン」という表現が当てはまる。もっとも、そうした目的意識の有無を度外視して(単に「柄」や「構造」程度の意味で)「デザイン」の語が用いられる場合もない訳ではない。 

weblio辞書

 このように外観だけでなく機能や性能も含めてデザインであると言う認識をあまり持たれていない方も多数いらっしゃいます。なのでデザイナーとは外観を奇抜に発想するクリエイターのことではなくこ外観、機能、性能の三つを計算して落とし込む事ができる専門職のことを言います。

 OEMの場合はお客様ご自身にデザインイメージをいただいて制作していきますがこの時になるべくデザイナーの意見を聞いてみてください。最初は自社ブランドという事もあり力も入っていますしなるべく自分で決めたいと思われる方も多いのですが、この外観に引っ張られ後の機能、性能が疎かになってしまうケースが多くあります。そうしますと結局買っていただいたお客様のもとに粗末なものが渡ってしまいせっかくのファンを失って行く事になります。それだけでなくサンプルを作成するときも全くイメージと違うものが出来上がってしまい何度も何度もサンプル代を支払いながら作る事にもなります。(※注 どんなに有名なアパレルブランドでも2、3回はサンプルを作り直します)だからと言って全部デザイナーの言う事を聞いて作ると言う訳ではなく、真摯に向き合い話し合いを行なってください。そうすれば素敵な製品が出来上がっていくはずです。

生産計画は余裕を持っておく事


 4つ目は納期です。OEMの現場でよくあることなんですが、すぐ作ってすぐ販売したいとの依頼が多数あります。

ですが服作りは意外と時間がかかります。サンプル作成にしても1ヶ月、量産するにも1ヶ月程(ロットや仕様で変動はあります)かかってしまいます。「意外とすぐじゃないか!最短2ヶ月!」と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、上記した様にサンプルは何度か作り直すことが多々あります。初めての取引だと尚更です。デザイナーとお客様の中でのイメージの不一致やいざ形にしてみると「生地がちょっと違うかな?」「ボタン変えよう」「ここにリブつけたら?」など様々な意見も出ます。みんなで良い物を作ろうと思えば当たり前のことです。

 ですがこれを最短納期で計画してしまうと、イメージと違った時に、お互いにかなりのフラストレーションを抱えてしまう事になります。そうなってしまってはなかなか良いものは作れません。なので生産計画は余裕を持って立るべきなのです。アパレルでは大体、発売の半年〜8ヶ月ほど前にはもう準備をしています。(9〜10月にはすでに来期の春夏物があらかた出来上がっています)最初からそこまでとは言いませんがしっかり余裕を持っておくことが良い物を作りには必須です。焦りは禁物ですので計画には余裕を持ちましょう。

 

まとめ

 いかがでしたでしょうか?結構当たり前じゃないかと思われる事かもしれません。ですがいざ現場に行くと皆さん肩に力が入ってなかなかその当たり前を忘れがちです。BtoBではありますが人と人との繋がりのなかで良い物を作ろうという色がアパレルには強いのが特徴としてあります。下請けとして扱うよりはその事業のパートナーとしてOEMの業者さんと付き合っていくことがとても大事です。もちろんパートナーには相性がありますので、最初はたくさんいろんな業者さんと話してみてください。コストを安く見積もってくれるだけで判断すると後で泣きをみる事になる場合もありますので、私としましてはパートナー探しをお勧めします。この記事を読んで下さった方々が少しでも良いパートナーを見つけ良い製品を送り出してくれることを願っております。

 

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